ワルターの録音(1954年)
モーツアルト:交響曲第38番「プラハ」
ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団
(ニューヨーク、ニューヨーク30番通りスタジオ、米CBS・スタジオ録音)ニューヨーク・フィルの響きは厚めで音楽の骨格は太く感じられますが、決して重ったるく感じられません。全体としてテンポはやや早めで・リズムは深く打ち込まれており・音楽はよく歌っています。アクセントの角が取れて・適度にまろやかに感じられます。第1楽章はスケールも大きく・古典的な格調があり、素晴らしい出来だと思います。第2楽章もやや早めのテンポのなかにスッキリした美しい流れが見えます。第3楽章も早めのテンポで・音楽に勢いがありますが、ワルターはしっかりと手綱を引き締めて・力任せの表現になっていないのも素晴らしいと思います。