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ショルティの録音(1971年〜1975年)


○1971年9月

マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」

ヘザー・ハーパー(S)/ルチア・ポップ(S)/アイリーン・オージェ(S)/イヴォンヌ・ミントン(A)/ヘレン・ワッツ(A)/ルネ・コロ(T)/ジョン・ジャーリー・カーク(B)/マルティ・タルヴェラ(B)
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン少年合唱団
シカゴ交響楽団
(ウィーン、ソフィエン・ザール、英デッカ・スタジオ録音)

声楽・合唱の使い方が素晴らしくうまくて、スケールの大きさを誇示するのではなく、音楽の細部・繊細な部分まで行き届いた表現がされています。第1部のスケールの大きさもさることながら、収集のつかないごった煮交響曲という感じがなくて・全体の構造がよく見渡されていて、スッキリと違和感なく聴けます。特に第2部・ファウストの情景においては、オペラを書かなかったマーラーの劇的描写を丹念に描き出していて・変な意味ではなくオペラティックに感じられるのです。それがしかもしっかりと枠のなかに納まっていて、これが交響曲の一部であることも実感されるのです。


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