サヴァリシュの録音 (1980年代)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」第1幕(全曲上演の一部)
ロベルト・シェンク(ジークムント)、クルト・モル(フンディンク)、
シェリル・スチューダー(ジークリンデ)
バイエルン国立歌劇場管弦楽団
(ミュンヘン、バイエルン国立歌劇場)二クラウス・レーンホフの新演出によるプレミエ上演の演奏です。キャストは当時望み得る理想的な配役だと思います。この「ワルキューレ」第1幕ですが、響きにどろどろしたものがなく・透明でさわやかなワーグナーです。サヴァリッシュは出過ぎたところのないオーソドックスな指揮ぶりで、ファイナーレなどテンポを揺らして熱狂を掻き立てることもしようと思えばできるのですが、こけおどしではない正統的なワーグナーを聴かせてくれます。ジークムントのショックは声が若々しくて魅力的。スチューダーのジークリンデは溌剌として当代随一のワーグナー・ソプラノの輝きがあります。