カラヤンの録音(1975年1〜6月)
R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」
ムスティラフ・ロストロポービッチ(チェロ独奏)
ウルリッヒ・コッホ(ヴィオラ独奏)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール、EMI・スタジオ録音)カラヤンのR.シュトラウスは素晴らしいと思います。感心するのはその語り口の巧さもさることながら、楽器の旋律線の受け渡しと・浮かび上がらせ方が実に巧く、豊穣な響きのなかでも旋律が埋没せずにスッキリと浮き上がってくることです。全体の味わいがサラリと軽いのも、カラヤンのR.シュトラウスの特徴です。この曲は構成がしっかりしていないと・脈路のない音楽に聞えてしまいますが、しっかりとした枠があるので・安心して聴けます。ロストロポービッチのソロは力強く、その生き生きとした表情がさずがです。コッホのヴィオラとの息もよく合っています。