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ヤンソンスの録音


〇2016年1月29日・30日ライヴ

R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」、マスネ:歌劇「ドン・キホーテ」〜間奏曲第2番「ドゥルシネア姫の悲しみ」

ヨー・ヨー・マ(チェロ独奏)、ウェン・シャオ・ツェン(ヴィオラ独奏)、アントン・パラコフスキー(ヴァイオリン独奏)
バイエルン放送交響楽団
(ミュンヘン、ガスタイク・ホール)

R.シュトラウス、マスネ共にヨー・ヨー・マのチェロが、特に抒情的な旋律において息が深く繊細な語り口を聴かせてくれます。ヤンソンス指揮バイエルン放送響は重心の低い響きを生かし、線の太いダイナミックな音楽を創り上げて、なかなか楽しめます。


〇2018年8月2日・10日・13日ライヴ

チャイコフスキー:歌劇「スペードの女王」

ブランドン・ジェヴァノヴィチ(士官ゲルマン)、エフゲニア・ムラヴィエワ(リーザ)、ハンナ・シュヴァルツ(伯爵夫人)、イーゴリ・ゴロヴァテンコ(エレツキー伯爵)、ウラジスラフ・スリムスキー(トムスキー伯爵)、オクサナ・ヴォルコワ(ポリーナ)他
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団
(ザルツブルク、ザルツブルク祝祭大劇場、ハンス・ノイエンフェルス演出)

ノイエンフェルスの演出はゲルマンの厭世的な世界観に深く心理的に切り込んだもので、従来舞台と受ける印象がかなり異なる感じです。後味は重苦しいものがあって、見る人によって批判もあると思いますが、このオペラの別の一面を垣間見たようで考えさせられるものがあります。ヤンソンスはオペラ指揮者というイメージが薄いのですが、旋律線がよく取れて聴きやすく、手堅いところを聴かせます。ただインテンポに取るので健康的な感じがして、チャイコフスキーの音楽の傷付きやすい繊細さという点ではいまひとつのところがありますが、演出が不健康な印象なので・バランス的にはこれで良いのかも。ジェヴァノヴィチのゲルマンは、ノイエンフェルスの演出の方向に沿って偏執的なゲルマンの性格をよく体現したものになっています。ムラヴィエヴァのリーザは清楚で美しく、歌手陣は芸達者が揃っています。


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