アラン・ギルバートの録音(2010年〜2019年)
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲
マーラー:交響曲第10番〜アダージョNDRエルプ・フィルハーモニー管弦楽団
(ハンブルク、エルプ・フィルハーモニー・ホール)2曲とも好演だと思います。「ローエングリン」第1幕への前奏曲は、エルプ・フィルの弦の透明な響きが美しく、ギルバートはじっくりとオケをコントロールして、清らかな音楽の流れを息深く 織りなして行きます。マーラーのアダージョは、さらに良い出来であると思います。ここではエルプ・フィルの高弦の輪郭の強めの響きが良い効果を挙げています。ギルバートのマーラーとの相性の良さを 実感させる出来に仕上がりました。旋律の息の起伏をよく捉えて、マーラーの音楽の聖と俗の揺らぎを振幅を大きく表現しています。刻々変わる表情の変化がとても面白く聴けます。響きの色合いを微妙に変えて曲に揺らぎと深みを与えて 太い流れを作りだして、なかなか優れた演奏だと思います。ギルバートとエルプ・フィルはなかなか良いコンビではないでしょうか。