2019年録音
モーツアルト:交響曲第41番「ジュピター」
ヤープ・ファン・ズヴェーデン指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
(ニューヨーク、ディヴィット・ゲフィン・ホール)ニューヨーク・フィルの弦が重ったるくならず、響きの軽さを保ちながら清冽な音楽の流れを作っています。それはリズムをしっかり打っているからです。四つの楽章のテンポ設定もバランスが良く、小振りで派手さはないけれど、堅実な音楽作りに好感が持てます。静かな流れを湛えた第2楽章が印象に残ります。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番
イェヒム・ブロンフマン(ピアノ独奏)
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール)モーツアルト的なイメージに捉えられがちな曲ですが、ブロンフマンは粒が揃った響きで線の太い音楽造りを目指しているようです。ブロムシュテットのサポートはこれに沿ったもので、低音を効かせた厚めの響きで線の太い剛直な音楽作りで、特に両端楽章などアクセントが強く、力でグイグイ押してくるので、後期のベートーヴェン的な強い印象に仕上がっています。ただし、もうちょっと軽く洒脱な味わいの方が曲本来の姿だと思いますが。