1977年録音
グリーグ:ピアノ協奏曲
パウル・ベルグンド指揮
スビャトスラフ・リヒテル(ピアノ独奏)
スイス音楽祭管弦楽団
(ルツェルン、クンスト・ハウス、ルツェルン音楽祭)リヒテルのピアノは時折ハッとするような強靭な打鍵と鋭いリズムを聴かせるかと思えば・一転して実に繊細な情感を込めたソフトな表現を聞かせたり、表現の幅が実に広くて素晴らしいと思います。しかし、音楽造りは決して派手になることがなく・リヒテルらしい骨太で渋く高尚な感じがします。ベルグントの指揮はリヒテルとコンセプトを合わせたと言うべきでしょうが、第1楽章などテンポの緩急が大きい感じがします。全体にロマンティックな味わいが強いのですが、テンポの遅めの第2楽章で若干情感が持ちきれない感じがします。