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1962年録音


○1962年ライヴ

チャイコフスキー:歌劇「エウゲニ・オネーギン」(ドイツ語歌唱)

ヨゼフ・カイルベルト指揮
インゲボルク・ブレメルト(タチアナ)、ブリギッテ・ファスベンダー(オルガ)
ヘルマン・プライ(オネーギン)、フリッツ・ヴンダーリッヒ(レンスキー)
ヘルタ・テッパー(ラニーナ)、ミノ・ヤーイア(グレーミン)
バイエルン国立歌劇場管弦楽団・合唱団
(ミュンヘン、プリンツレゲンテン劇場)

まずロシア語とドイツ語はやっぱり語感が違うのだなあということを改めて感じさせられますが、子音が強く聞こえて・歌唱がゴツゴツした感じが特に女性陣の歌唱に強いように思われ、ブレメルトの歌唱もなかなかのものですが・いまひとつ没入しきらないのはそのせいかと思われます。しかし、男性陣の歌唱にはあまりそういう不満を感じないのもまた不思議です。プライのオネーギン、ヴンダーリッヒのレンスキーは珍しく・かつ実に魅力的な配役ですが、どちらも声が若々しく、青春の迷いと苦おしさを表現して申し分なく期待に違わない素晴らしい出来です。このふたりの歌唱を聞くだけでこの録音は価値があります。カイルベルトの指揮はテンポをしっかりとって手堅い出来ですが、押さえるべきツボはしっかり押さえてさすがです。


 

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