(戻る)

1957年録音


○1957年-1

ラヴェル:ピアノ協奏曲

エットーレ・グラチス指揮
アルトゥーロ・ベネディティ・ミケランジェリ(ピアノ独奏)
フィルハーモニア管弦楽団
(ロンドン、EMI録音)

まさに「鮮烈」と云う言葉がぴったりの演奏です。両端楽章はまさにミケランジェリのピアノのリズムが色彩になって飛び散るが如くで、しかもそれが硬い質感を持って耳にピンピン当たる感じがします。とても刺激的で、ラヴェルの機能的かつ遊戯的な音楽のなかに背中合わせにある虚無的な感覚まで表現し尽くしているように感じられます。これもまたラヴェルの本質をえぐった演奏だと思います。この両端楽章に挟まれた第2楽章がこれも瞑想的な心の世界を聴くようで、この協奏曲があたかも三幅対の金屏風を見ているように感じられます。ミケランジェリにばかり耳が行きますが、グラチス指揮のフィルハーモニア管も見事にがっぷり四つに組んだ演奏を聴かせてくれます。


○1957年-2

チャイコフスキー:歌劇「エウゲ二・オネーギン」〜ポロネーズ

ルドルフ・ケンペ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、EMI・スタジオ録音)

ベルリン・フィルのちょっと暗めの音色が・チャイコフスキーのメランコリックな雰囲気にぴったり来る感じです。十分に楽しめるコンサート・ピースになっています。


 

(戻る)