1954年録音
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ダヴィット・オイストラフ(ヴァイオリン)
フランツ・コンヴィチュニー指揮
ドレスデン国立管弦楽団
(ドレスデン、独グラモフォン・スタジオ録音)録音のせいか・オケが引っ込んで痩せて聞こえるのが残念ですが、オイストラフのヴァイオリンは、これはもう理想的と言えるほど素晴らしいものです。お国物という言葉は安易に使いたくありませんが、ついそう言ってしまいたくなるほど、豊かな音色で・ゆったりと旋律を歌い・音楽の温もりが内からじっくりと伝わってくるような気がします。作為的なところがどこにもなく、表情に艶があり・音楽の恰幅の良さが自然と備わっています。第1楽章も素晴らしいですが、第2楽章のじっくりとした歌い込みで 、オイストラフの実力がまざまざと実感できます。
ドビュッシー:交響詩「海」
グィド・カンテルリ指揮
ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団
(ニューヨーク、カーネギー・ホール)曲の構成をしっかり把握し、造形をキリット引き締めて曖昧なところがない、実に巧みな演奏であると感心させられます。オケから透明な色彩感を引き出しており、第3部ではダイナミックな音絵巻を展開しています。