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1952年録音


○1952年

マーラー:交響曲第5番

ヘルマン・シェルヘン指揮
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
(ウィーン、ウィーン・コンツェルトハウス・モーツアルト・ザール、米ウェストミンスター・スタジオ録音)

まだマーラーがポピュラーでなかった時代の演奏ですが、当時の聴衆には猥雑で・ゴタゴタのうるさい演奏という印象を与えたかも知れないと感じます。特に第2楽章・第3楽章ではテンポを速めに取って・聴き手に挑戦的に仕掛けてくるような場面があり・突然豹変する感じは、今聴けばちょっと個性的で荒々しい演奏くらいにしか感じませんが、マーラーに慣れていない当時の聴衆にはかなり抵抗を持たれたのではないかという気がします。オケが明らかに曲に慣れていないせか精度がいまひとつで、録音のせいか金管がうるさい感じがします。しかし、現代音楽のスペシャリスト的な言われ方をした指揮者だけになかなかうまく手に入った演奏であると思います。


○1952年10月22日

ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」序曲

グィド・カンテルリ指揮
フィルハーモニア管弦楽団
(ロンドン、キングス・ウェイ・ホール、EMI・スタジオ録音)

小品ながらカンテルリの才能が光る演奏。印象に残るのはリズムの軽やかさ、旋律のしなやかさです。スケールの大きい演奏なのですが、決して重さを感じさせないのは見事です。特に展開部からの旋律の伸びやかな歌わせ方の巧さ。軽いオペラの序曲という扱いに終わらせず・真正面から曲に取り組む真摯な態度を感じさせます。


 

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