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アバドの録音 (1992年)


○1992年11月8日ライヴ

マーラー:交響曲第2番「復活」

チェリル・シュチューダー(ソプラノ)
ワルトラウト・マイヤー(アルト)
アーノルト・シェーンベルク合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ウィーン、ウィーン楽友協会大ホール)

ウィーン・フィルの特性を生かし、太めのタッチで描き上げたマーラーと言えます。神経質的な鋭角的なマーラーではなくて、むしろ暖かいマーラーです。すべての響きが柔らかく 、表情がまろやかです。金管も決して刺激的に響くことがありません。足取りを乱さず、テンポを遅めに構えて・曲に真正面から向き合っている感じがします。どっしりとした聴き応えがあります。かつてのアバドはもっと鋭角的なマーラーを振っていた と思いますが、ここでのマーラーは円熟と言うか、丸みが出てきたと言うべきか。特に前半2楽章が重量感ある表現です。第1楽章冒頭の低弦からして腹にズシリと来ます。一転して第2楽章の繊細さ。ソリストは重量級を揃えているので、第5・6楽章も素晴らしい出来です。アバドはテンポをしっかりとって、合唱の使い方などは手馴れたものです。熱い希望を感じさせる演奏になっています。


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