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アバドの録音 (1981年)


○1981年10月ライヴー1

マーラー:歌曲集「子供の不思議な角笛」よりの4曲
(誰がこの歌を作ったのか、ラインの伝説、
トランペットが美しく鳴り響くところ、浮世の生活)

マーガレット・プライス(ソプラノ独唱)
シカゴ交響楽団
(シカゴ、シカゴ・オーケストラ・ホール)

プライスの声質は美しく豊穣で、R.シュトラウスにはよく似合いますが、マーラーであるとやや饒舌に感じられ、もう少し素朴さが欲しい感じがします。これは全体のテンポが速めであることも関係しているかも知れません。「トランペットが美しく鳴り響くところ」は美しくロマンティックな歌唱だと思いますが、その裏側にもう少し哀しみが聴こえて欲しいと思います。その点でプライスの歌唱はやや表面的で、深味に欠けるところがあると思います。一方、「ラインの伝説」は無邪気な乙女心を素直に歌って好ましい出来です。


○1981年10月ライヴー2

R.シュトラウス:最後の四つの歌

マーガレット・プライス(ソプラノ独唱)
シカゴ交響楽団
(シカゴ、シカゴ・オーケストラ・ホール)

プライスの透明で美しい歌唱は、R.シュトラウスにはよく似合います。R.シュトラウスの女声歌曲は、高音の美しさだけの印象に終わりかねない危険もありますが、プライスは言葉を大事にして、しっかりと足を地につけて、どの曲も説得力を以て聴かせます。アバドのサポートも見事。


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