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ワルターの録音(1940年−1944年)


○1941年1月26日ライヴ

ブルックナー:交響曲第8番

ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団
(ニューヨーク、カーネギー・ホール)

テンポを速めに取ったスッキリとした印象のブルックナーですが、しっかりと曲の構造が取れていて・押さえるべきところを確実に押さえて・表現に無駄がありません。旋律の歌いまわしはやや直線的で・もう少し柔らかな歌いまわしを望む方もいるかと思いますが、この点に40年代アメリカ時代のワルターのスタイルがよく出ていると思います。特に第1楽章は曲想がまるで列車の車窓から見るように軽快に展開して行き、そこに明晰さと叙情性が共存していて、スケールの大きさという点でも申し分なく、ワルターがブルックナーのフォルムをよくつかんでいることが実感できます。


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