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ショルティの録音(1984年)


○1984年5月5日

チャイコフスキー:交響曲第4番

シカゴ交響楽団
(シカゴ、シカゴ・オーケストラ・ホール)

ショルティ向きの曲であると思いますが、第1楽章は相変わらずシカゴ響が一糸乱れぬ見事な演奏を展開しているにもかかわらず・造形が整い過ぎているのか・若干表面的で冷たい感じがあって、今ひとつ曲の熱気が伝わってこないもどかしさがあります。第2楽章以降になると、楽譜にある音だけで曲自体を語らしむという感じの良さが出てくるようです。テンポ速めながら・スッキリした味わいの中間2楽章が良い出来です。圧倒的な両端楽章のなかで、中間2楽章の抑えた表現が利いています。第4楽章になるとシカゴ響が威力全開で、音響の爆発とダイナミックなリズム感が素晴らしいと思います。シカゴ響の弦はしなやか・かつ強靭で、金管の輝かしさは言うまでもありません。


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