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アンドリス・ネルソンスの録音 


○2010年7月1日ライヴ

ショパン:ピアノ協奏曲第1番

ダニエル・バレンボイム(ピアノ独奏)
ベルリン国立管弦楽団
(エッセン、エッセン・フィルハーモニー・ホール、ルール・ピアノ・フェスティヴァル)

これは名演。骨格がしっかりしていた印象で・最初はちょっと無骨な感じもしますが、次第に古典協奏曲的な骨太い構造が現れてきて、なるほどショパンはこういう感じのコンチェルトを書きたかったのかという感慨が湧き上がってきます。これまでのロマン派的協奏曲のイメージとは全然異なったショパンの本質を明らかにしてくれます。バレンボイムのピアノはテンポを正確に取り・まったく逸るところがなく、着実という印象がするほどに旋律を息深く歌い上げます。特に素晴らしいのが第2楽章で、深く精神的な味わいは比類ないものです。ピアノの響きが煌めくように美しく感じられます。第3楽章のリズム処理も実に巧くて聴かせます。ネルソンス指揮のベルリン・シュターツカペレもバレンボイムの意図をよく体現していて、実にしっかりした磐石のサポートを聴かせます。


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