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録音(2009年)


○2009年8月

ショパン:ワルツ集(全19曲)、
      夜想曲 嬰ハ短調遺作

アリス=沙良・オット(ピアノ)
(ベルリン、テルデックス・スタジオ、独グラモフォン・スタジオ録音)

ショパンのワルツ集の魅力的な演奏は多いですが、これはそのなかでも好演だと思います。いわゆるピアノの詩人ショパンのイメージを裏切らない演奏、そういうとちょっと乙女チックに甘ったるい演奏を想像してしまいそうですが・まったくそういうところがなく、優雅で繊細さを兼ね備え・かつ実に音楽的な演奏なのです。過度に情感におぼれることなく、各曲の個性を実に的確に描き出していて、テンポに無理がなく、表現の細部までみずみずしい出来です。これはしっかりしたテクニックの裏付けがあって可能になるものです。もうひとつ、ワルツの三拍子のリズムのなかの揺れる感覚をよく捉えているので、触れると壊れそうなほど繊細なショパンの感覚の多様さなところがよく表現できているのです。華やかななかにも憂鬱な味わいが生み出されて見事な出来です。


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