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ナタリー・デセイの録音 


○2018年11月28日〜12月2日

シューベルト:愛の使い(歌曲集「白鳥の歌」第1曲)D957、君は憩い D.776、魔王 D.328、ギリシアの神々 D.677、糸を紡ぐグレートヒェン D.118、ミニヨンの歌「ただ憧れを知る者だけが」 D.877、都会(歌曲集「白鳥の歌」第11曲) D.957、春の小川で D.361、ズライカ T D.720、水の上にて歌う S.558 (リストによる編曲ピアノ独奏)、ひめごと D.719、ガニュメデス D.544、スイートロケット D.752、憩いない愛 D.138、春に D.882、岩上の牧人 D.965

ナタリー・デセイ(ソプラノ)
フィリップ・カッサール(ピアノ伴奏)
トーマス・サヴィ(クラリネット、「岩上の牧人」のみ)

(ベルリン、ジーメンス・ヴィラ、ソニー・クラシカル・スタジオ録音)

リートというよりもソングと云う印象。言い換えれば語る要素よりも、歌う要素が強い感じで、言葉より旋律が強く耳に残ります。如何にもフランス人が歌うシューベルトだなと云う感じですが、こういうシューベルトもありだろうと思います。デセイはシューベルトを慎重過ぎるほど慎重に時間を掛けて準備したようですが、むしろデセイが思い切って自分が信じるところを大胆に押してきたことに感心さえしますが、ドイツ人の歌うシューベルトを聞きなれた耳には、子音が弱くて旋律が引っ掛からず、耳に慣れるまで少々時間が掛かります。滑らか過ぎて旋律が耳を通り過ぎて行く印象で、音楽に空間がないのも、気に掛ります。曲が変わっても、語り口(声色)が変わっ て世界が変わる印象があまりなく、同じ感じの写真を見るような印象があります。カッサールのピアノ伴奏もデセイに対応して滑らかさを志向して、間とアクセントが弱めの印象です。その意味では「君は憩い」や「ひめごと」のようなテンポの遅い曲の方が聴きやすい感じ。このなかでは、クラリネットを交えてコロラトゥーラ的な「岩上の牧人」が最もデセイの体質に合っています。


 

 

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