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メトロポリタン歌劇場 (2021年〜2025年)


〇2021年10月9日ライヴ

ムソルグスキー:歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」

ルネ・パーペ(ボリス・ゴドゥノフ)、デイヴィッド・バット・フィリップ(グレゴリー)、マクシム・パステル(シュイスキー公)、アイン・アンガー(ピーメン)他
セバスティアン・ヴァイグレ指揮
メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団
(ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場、スティーヴン・ワズワース演出)

世界的なコロナ・パンデミックで2020年春から休場を余儀なくされたMETが約1年半ぶりに再開したのは、嬉しいニュースでした。ワズワース演出の歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」はMETらしい重厚な装置で、筋を分かりやすく見せてくれました。初演稿を使用し、全3幕休憩なしでの上演。歌手ではパーペのボリス・ゴドゥノフが安定した歌唱ときめ細かい演技で、モノローグ「私は最高の権力を手にした」ではボリスの苦悩を沈痛に歌いあげました。フィリップのグレゴリー、パステルのシュイスキー、アンガーのピーメンなど、脇も達者です。ヴァイグレ指揮は、手堅く聴かせました。


〇2022年1月1日ライヴ

マスネ:歌劇「シンデレラ」(「サンドリヨン」の短縮・英語版)

イザベル・レナード(シンデレラ)、エミリー・ダンジェロ(チャーミング王子)、ジェシカ・プラット(妖精)、ステファニー・プライズ(ド・ラ・アルティエール夫人)、ロラン・ナウリ(パンドルフ)他
エマニュエル・ヴィヨーム指揮
メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団
(ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場、ロラン・ペリー演出)

お正月に家族で愉しめる演目をと云うことで、マスネの「サンドリヨン」を約1時間40分に短縮した英語版。マスネの旋律美と華麗な響きが味わえて、メルヘンの世界に楽しく遊ぶエンタテイメントに仕上がっています。ロラン・ペリーの演出がコミカルかつリ洒落ており、歌手陣が芸達者です。特にプライズの継母は笑わせます。レナードは容姿も歌唱も美しく、ダンジェロとの二重唱も見事。ヴィヨーム指揮の管弦楽はリズム感良く、きっちりまとめていて、これも感心します。


 

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