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カラヤンの録音(1981年1月〜6月)


○1981年1月27日〜31日、2月26日、3月20日

ホルスト:組曲「惑星」

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール、独グラモフォン・スタジオ録音)

カラヤン2回目の「惑星」録音は基本的な解釈に変化はないと思いますが、重量感・色彩感とリズムの鋭さが増した感じです。ウィーン・フィルの透明感とはまた別種の魅力があります。カラヤンの語り口のうまさは格別です。リズムの斬れと ・重低音の効いたダイナミックでオケの動きが魅力の「火星」や「木星」のスケールの大きい表現も見事ですが、カラヤン/ベルリン・フィルのうまさは「水星」の軽やかさや「天王星」の透明 で幻想的な響きに生きていると思います。


○1981年2月20日、23日、27日

ショスタコービッチ:交響曲第10番

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール、独グラモフォン・スタジオ録音)

ショスタコービッチの演奏としてはかなり個性的な解釈に思われます。カラヤンらしいと思うのはショスタコービッチの音楽を堅く尖った響きにせず、柔らかく暖かい響きで処理していることです。ベルリン・フィルの弦が柔らかく・ずべてを肯定的に包み込むようです。第2楽章など早いぱっセージで非人間的なリズムが突きつけられたとしても、カラヤンはどのようなパッセージにも叙情的な美しさを求めているようです。ショスタコービッチのこの交響曲に慰めのような・エレジー的な美しさを感じさせます。


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