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カラヤンの録音(1958年)


〇1958年1月14日・15日

ビゼー:「アルルの女」第1組曲・第2組曲

フィルハーモニア管弦楽団
(ロンドン、キングスウェイ・ホール、英EMIスタジオ録音)

後年(70年)ベルリン・フィルとの録音のようなスケールの大きさはないですが、小振りながらフィルハーモニア管の引き締まった表現が愉しめます。基本的な解釈は変わりないものの、オケの個性が印象を分けているようです。オケの響きが明るく透明で、曲が持っている素朴な味わいが素直に出ている感じがします。前奏曲やファランドールは小振りな印象もしますが、子近年アンコール・ピースとして演奏される場合ダイナミックに仕立てられ勝ちで、この位が本来の大きさかなと云う気がします。第2組曲パストラルやメヌエットの素朴な美しさも魅力的です。


〇1958年1月16日

ビゼー:「カルメン」組曲

フィルハーモニア管弦楽団
(ロンドン、キングスウェイ・ホール、英EMIスタジオ録音)

各幕の前奏曲が、4・3・2・1の順番で演奏されているのが、独特です。フィルハーモニア管の引き締まった表現が新鮮で、リズムも切れており、カラヤンの得意曲だけにオペラティックな味わいも十分です。


○1958年1月18日

ウェーバー:舞踏への勧誘

フィルハーモニア管弦楽団
(ロンドン、キングスウェイ・ホール、英EMIスタジオ録音)

オケの響きが透明で・造形が引き締まっていて、どこかトスカニーニのスタイルに近いものを感じさせます。後年のカラヤン/ベルリン・フィルならさらに艶のある優美な歌いまわしであろうと思わせるところはありますが、フィルハーモニア管の引き締まったワルツの造形は・これもまた魅力的です。また冒頭のチェロの独奏も美しく、カラヤンらしい語り口の巧さが楽しめます。


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