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2006年録音


○2006年6月18日ライヴ−1

モーツアルト:歌劇「後宮よりの逃走」序曲、グリーク:「ペール・ギュント」からの三曲

マリタ・ソンベルク、インゲビエルク・コスモ(ソプラノ独唱)
ネーメ・ヤルヴィ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン郊外ヴァルトビューネ、ヴァルトビューネ野外音楽堂)

2006年ヴァルトビューネ野外コンサートのタイトルは、「オリエンタル・ナイト」です。「後宮よりの逃走」序曲はリズムが軽やかで、細やかな表情が魅力的です。「ペール・ギュント」からの三曲はアニトラの踊り・ソルヴェイグの歌・アラビアの踊りで、後の二曲に声楽が入ります。アニトラの踊りは弱音が印象的な演奏、ソルヴェイグの歌はソンベルクの澄んだ歌声が魅力的で聴かせました。


○2006年6月18日ライヴ−2

サン・サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ、マスネ:歌劇「タイース」〜瞑想曲

ジャ二ーヌ・ヤンセン(ヴァイオリン独奏)
ネーメ・ヤルヴィ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン郊外ヴァルトビューネ、ヴァルトビューネ野外音楽堂)

ヤンセンのヴァイオリンが旋律の息を十分に取って、とても魅力的です。タイースの瞑想曲は、スッキリした澄んだ表情で旋律を歌いながら、そこはかとない艶やかさを感じさせるところがとても魅力的です。序奏とロンド・カプリチオーソは、小粋でロマンティックな香気を感じさせる佳演と言えます。ヤンセンのヴァイオリン独奏は中高音が艶やかで魅力的、テクニックは十分な上に、細やかなニュアンスをていねいに歌いこんで、表情が活き活きとして 、とてもチャーミングです。ヤルヴィの指揮も曲を大柄に作らず、ヤンセンの繊細な表情をよく引き出しています。


〇2006年6月18日ライヴー3

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

ダニエル・スタブラヴァ(ヴァイオリン独奏)
ネーメ・ヤルヴィ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン郊外ヴァルトビューネ、ヴァルトビューネ野外音楽堂)

ヴァルトビューネ・野外コンサートでは第1・2楽章と第3・4楽章をふたつに分けて、間にヤンセンによるサン・サーンスなどを挟んで演奏されています。ヤルヴィの指揮は手堅く、スケール感は大きいとは云えず、曲作りがやや小振りに感じられますが、ベルリン・フィルから透明感のある響きを引き出しており、表情は重くならず、だから弱奏の時の繊細な表情が生きて来ます。スタブラヴァのソロは、出過ぎるところのない堅実な出来というところ。ヤルヴィの良さは、第3楽章の「若い王子と王女」の抒情的な表現に表れています。


 

 

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