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1979年録音


○1979年9月1日ライヴ−1

ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲

プラシード・ドミンゴ指揮
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
(ウィーン、ウィーン国立歌劇場、ガラ・コンサート)

指揮者としてのドミンゴとしてはそのキャリアの始めの方のものと思いますが、手堅い指揮ぶりを見せており、演奏はなかなか見事なものです。


○1979年9月1日ライヴ−2

ロッシーニ:歌劇「シンデレラ」〜チェネレントラのアリア「悲しみと涙のうちに生まれ」
(アグネス・バルツァ)
ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」〜フィガロのアリア「中傷とはそよ風です」
(ニコライ・ギャウロフ)
ドニゼッティ:歌劇「ルチア」〜狂乱の場
(エディタ・グルべローヴァ)
ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」〜シェニエのアリア「ある日青空を眺めて」
(ブラシド・ドミンゴ)
ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」〜ジェラールのアリア「国を裏切る者」
(ピエロ・カップッチルリ)
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」〜間奏曲
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」第2幕フィナーレ

(モンセラット・カヴァリエ、ルーツァ・バルダーニ、ジャンフランコ・チェッケーレ、
ペーター・ウィンベルガー、クルト・リドル)

ミゲル・ゴメス・マルティネス指揮
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
(ウィーン、ウィーン国立歌劇場、サマーフェスト・ガラ・コンサート1979)

名歌手揃いだけにそれぞれ個性ある見事な歌唱を聞かせてくれます。「アンドレア・シェニエ」でのドミンゴとカップチルリの歌唱は力強く会場を沸かせます。しかし、やはり圧巻はグルべローヴァのルチアの狂乱の場であろうと思います。声の伸びと言い ・技巧の斬れといい見事なものですが、特にこれは若い時期の歌唱だけにその若々しさは魅力です。マルチネスのサポートは手堅いもので、歌手たちの名唱をよく引き立てています。


○1979年9月1日ライヴ−3

ワーグナー:歌劇「タンホイザー」よりエリザベートのアリア「厳かなこの広間よ」
(レオ二ー・リザネック)
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より「聖杯語り」
(ルネ・コロ)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」より「冬の嵐は過ぎ去って」
(ジークフリート・イェルザレム)
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死
(ビルギット・ニルソン)

ホルスト・シュタイン指揮
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
(ウィーン、ウィーン国立歌劇場、ガラ・コンサート)

いつもはオケ・ピットに入っているオケが舞台に上がって慣れないせいか、最初のエリザベートのアリアはリザネックの歌唱をかき消すほどオケが大きくバランスが非常に悪いのが残念です。ただし、それ以後は持ち直しますが。コロもイェルザレムの歌唱も見事なものです。ワーグナーを得意とするシュタインの指揮は手馴れたものですが、やはりニルソンとの「トリスタン」の前奏曲と愛の死が圧巻です。言うまでもなくニルソンの歌唱は威厳たっぷりで、イゾルデの死を荘厳なものにまで高めて比類ありません。シュタインの指揮はしっかりとテンポを取って造型が引き締まっており、まったく小細工をしないで・ワーグナーの音楽の純粋なところだけ表現してくれるようで実に見事です。


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