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1935年録音


○1935年4月4日

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲

ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮
ゲオルグ・クーレンカンプ(ヴァイオリン独奏)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、テレフンケン・SP録音)

クーレンカンプの音楽に対する真摯な姿勢がよく現われています。テクニックで聴かせる派手なところはなく・決してスケールは大きくはないですが、この愛すべき協奏曲ではむしろ自己を押し出そうとするよりも・曲の美しさを無心に表現しようとする態度こそ望ましいと思います。朴訥な感じがするほどに・丁寧に音符を折っていくクーレンカンプの音楽は、この曲の持つ幸福感を自然な形で味わせてくれます。特に第3楽章はそうしたクーレンカンプの個性がよく出た表現だと思います。シュミット=イッセルシュテットの指揮は、クーレンカンプにつかず・離れずサポートして・とても好感が持てます。


 

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