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ボスコフスキーの録音


○1977年6月19日ライヴ

ヨゼフ・シュトラウス・コンサート
ワルツ「ディナミーデン」、ポルカ「女心」、ポルカ「事のついでに」、ワルツ「我が人生は愛と喜び」、ワルツ「取り引き」、ワルツ「天体の音楽」、ポルカ「おしゃべりな可愛い口」、ポルカ「騎手」、ポルカ「憂いもなく」、「鍛冶屋のポルカ

ウィーン交響楽団
(ウィーン、ウィーン・コンツェルトハウス・大ホール、ウィーン芸術週間)

どの曲もリズム感があって楽しめます。ウィーン響はウィーン・フィルの色気には一歩を譲りますが、素朴で・音楽そのものの魅力を素直に出していて好感が持てます。特にポルカではそのリズム感のよさが出て、「事のついでに」・「おしゃべりな可愛い口」、「騎手」など聞かせます。ワルツも表情に張りがあってなかなか魅力的です。ウィーン・フィルだとちょっと化粧の濃い美人という感じですが、ウィーン響だとピチピチした町娘という感じでしょうか。そのよさは「ディナミーデン」や「取り引き」のスッキリとした味わいによく出ています。


○1979年1月1日ライヴ

ヨハン・シュトラウスU:ワルツ「ローレライ〜ラインの調べ」、ポルカ「お気に召すまま」、エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ「ブレーキかけずに」、ヨハン・シュトラウスU:ワルツ「酒・女・歌」、ツィーラー:ワルツ「ヘラインシュパツィールト」、スッペ:喜歌劇「美しきガラテア」序曲、ヨハン・シュトラウスU:チック・タック・ポルカ、ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「モダンな女」、 ヨハン・シュトラウスU:ワルツ「我が家で」、ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「ルドルフスハイムの人々」、ワルツ「天体の音楽」、ヨハン・シュトラウスU:ポルカ「狩り」、ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「風車」、ヨゼフ&ヨハン・シュトラウス:ピチカート・ポルカ、ヨハン・シュトラウスU:ポルカ「浮気心」、ワルツ「美しく青きドナウ」、ヨハン・シュトラウスT:ラデツキー行進曲

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ウィーン、ウィーン楽友協会大ホール)

世界的な行事になってしまう以前のニューイヤー・コンサートには、まだウィーン市民の内輪なお祭りの素朴な雰囲気が残っていたと思います。この79年のボスコフスキーの演奏会でも、ゴージャスではない、体温のぬくもりを感じさせる音楽を奏でてくれます。ワルツのリズムをさりげなく、独特の素朴さと軽みがあって、これは昨今のウィーン・フィルでも聴けなくなったものです。ワルツ「我が家で」の素朴さ、「天体の音楽」や「美しく青きドナウ」でも決して豪華絢爛な舞踏会になることはありません。 「酒・女・歌」や「へラインシュパツィールト」での、ワルツのリズムのさりげなく軽い味わいも心地良く感じます。一方、「ルドルフスハイムの人々」や「浮気心」での、訥々 としたリズムの打ち方は、あまりテンポを速くせずのんびりととぼけた味わいがあり、昨今のやたら威勢の良いだけのポルカとは、まったく違った味わいがあります。 ポルカ「お気に召すまま」や「モダンな女」のちょっとしたリズムの変化に、古き良きウィーンの思い出がよみがえります。喜歌劇「美しきガラテア」序曲も大柄にならずに、いかにも軽やかで楽しい仕上がりです。


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