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べームの録音 (1974年)


○1974年9月27日ライヴ

ブルックナー:交響曲第8番

ケルン放送交響楽団
(ケルン、ケルン放送大ホール)

早いテンポで引き締まったブルックナーです。晩年のベームのゆったりしたテンポと違って、いかにもこの時期のベームらしい若々しさです。テンポは全曲通して早めで、ケルン放送響の硬質の弦のせいもあるが・雰囲気よりは旋律線の明確さを取った演奏と言えましょう。スッキリと透明感あるオケの響きが魅力です。両端楽章の出来がよいと思います。テンポはインテンポではなく・微妙にテンポを伸縮させていますが、あまり変化は目立たず・構成がきりっと締まった印象が強いようです。早めのテンポでは晩年の演奏のような悠然たるスケールの大きさは望めませんが、音楽の造形のシャープさと勢いは捨てがたいものがあります。第2楽章はちょっとテンポが早めの感じで・スケール感がよく出ていないようです。第3楽章は難しいところです。スッキリした処理ですが、色彩の移ろいを見せる場面では早めのテンポでは表現が十分でないという感じがあります。ケルン放送響はなかなかの力演で、弦も優秀ですが・金管がなかなかよく鳴っています。


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