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バーンスタインの録音(1959年以前)


○1958年1月13日

メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」

ニューヨーク・フィルハーモニック
(ニューヨーク、米CBSスタジオ録音)

これはなかなかの好演。この曲は楽章のバランスのとり方が難しいですが、テンポをしっかり取って全体の構成を骨太に捉えたところが成功しています。第1楽章の活き活きした表現も良いですが、中間の第2・3楽章の抑えた・しみじみとした語り口が利いています。第4楽章もテンポが逸るところがなく足取りが確かで、全曲が引き締まった感じに仕上がりました。


○1959年ライヴ

モーツアルト:ピアノ協奏曲第24番

グレン・グールド(ピアノ独奏)
ニューヨーク・フィルハーモニック
(ニューヨーク、カーネギー・ホール)

グールドのピアノはバッハの時と違って響きをソフトに取り、恐らく当時のピアノの能力を考慮して・フォルテとピアノのコントラストを意識的に抑えて・音量変化を平坦な感覚に置いています。しかし、タッチの粒が揃って・古典的ななかにも繊細な感覚のあるモーツアルトになっています。グールドの主張は内省的な第2楽章によく現れていますが、両端楽章においても派手さを抑えて・ひたすら内面に向かっています。一方、バーンスタインの方はそんなことにはお構いなしに・鳴らしたいように元気に鳴らしているという感じです。オケの全奏になるとグールドのピアノのかき消すほどで、まあもう少しソロの音に耳を澄ますくらいの伴奏はしてもらいたいものだと思います。


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